自動車運転免許 なんでも屋

初めての免許も異種免許も運転免許の悩み解決!

車両 道路運送車両法

大型トラック速度抑制装置を知ろう!

2021/04/27

大型トラック速度抑制装置を知ろう!

みなさんも見かけた事があると思いますが、大型トラックに張られている「速度抑制装置付」のステッカー。

速度抑制装置が付いているのはわかるのですが、なぜ大型トラックだけに装置が取り付けられる事になったのでしょう。

実際に「速度抑制装置付」のステッカーが貼ってあっても、かなりの速度で走行している大型トラックがいるのはなぜなんでしょう。

それでは、「大型トラック速度抑制装置」について詳しくご紹介したいと思います。

「速度抑制装置付」ステッカー

速度抑制装置付ステッカー
トラックの車両の後面や車室内に貼ってあります。

ステッカーの大きさの基準

速度抑制装置付ステッカー大きさの基準
出典:国土交通省 自動車点検整備推進協議会

速度抑制装置

平成15年9月1日より、新たに登録する大型貨物自動車(車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上)に対し、90km/hを超えて加速できないようにする速度抑制装置(スピードリミッタ)の取り付けが義務付けられました。

また、すでに登録してある大型貨物自動車についても、同じく平成15年9月1日より、3年間の経過措置を設けて速度抑制装置(スピードリミッタ)の取り付けが義務付けられました。

取付対象車両

1.車両総重量8トン以上または最大積載量が5トン以上の大型貨物自動車
2.大型貨物自動車を牽引する牽引自動車
※平成6年排出ガス規制より古い車両、高速自動車国道等を走行しない車両等、スピードリミッタ装着義務の対象外の車両を除く。

取付の目的

高速道路で起こる死亡事故の大半が大型トラックによる追突事故で、その事故の際の速度が法定速度の80km/hを超えた速度で発生していたため、高速道路における制限速度違反による重大事故発生防止と燃費向上や二酸化炭素排出量削減の環境面での効果などを期待し、速度抑制装置を取り付ける事になりました。

速度抑制装置の効果・影響評価の結果

国土交通省では、下記のように速度抑制装置の効果・影響評価について調査を行い、その結果を発表(平成19年8月21日)しています。

(1)事故低減効果
大型トラックの交通事故への影響変化を見ると、高速道路での事故発生件数は全体的に減少傾向にあり、平成17年の大型トラックの死亡事故件数は、平成9年から平成14年の平均件数より約40%低減している。

(2)二酸化炭素の排出量低減効果
スピードリミッターを装着して走行速度が低下することにより、燃費向上の効果があることが認められる。今後大型トラック全車にスピードリミッターが装着された場合には、高速道路を走行する全体の自動車から年間55.5~118.5万トンのCO2排出量※が削減されると推計される。
※これは、京都議定書目標達成計画(平成17年4月28日閣議決定)で定められた運輸部門における削減量(2,450万トン)の約3%に相当するもの。

(3)交通流等に与える影響
スピードリミッター装着車の混入率が高くなると、平均車速が低下する傾向にあるが、渋滞の増減や高速道路の走りやすさに与える影響について明確な傾向はみられなかった。
また、輸送の長時間化などの影響が一部に見られたが、物流体系や大型トラックドライバーの勤務体系に大きな変化は認められなかった。

上記の効果・影響から
今後とも、警察庁、自動車検査独立行政法人をはじめとした関係者と協力して、不正改造の防止を徹底するとともに、適正な使用を推進することにより、一層の交通事故の削減に取り組んでいくそうです。

不正改造で逮捕

2017年2月、京都運輸支局は京都府警察本部から速度違反を助長する自動車部品(Lジョイント※1)を装着し、速度違反で走行する大型トラックの取り締まり等への協力要請を受け、奈良運輸支局と独立行政法人自動車技術総合機構近畿検査部とが連携し、高速道路における速度超過等の大型トラック3台に対し、速度抑制装置※2の機能検査を実施したところ、速度抑制装置の作動速度を増速させる不正改造(90km/hで抑えられる最高速度が103km/h~108km/hと計測された)が確認されたため、道路運送車両法に基づく整備命令※3を発令しました。

これにより京都府警察本部は、トラック運転手3名に対し道路運送車両法違反等について事件送致するとともに、Lジョイントをインターネットオークションに出品していた販売者を道路交通法違反幇助及び道路運送車両法違反幇助容疑で逮捕したという事件がありました。

速度抑制装置の不正改造
出典:国土交通省 近畿運輸局京都運輸支局

スピードリミッター不正改造通報受付

国土交通省や全日本トラック協会では、「スピードリミッター不正改造通報受付」という窓口を設置しています。

スピードリミッター不正改造通報受付
国土交通省 中部運輸局

スピードリミッター不正改造通報受付
全日本トラック協会

スピード超過が重大事故を引き起こす原因にもなります。
加えて死亡事故率も高くなりますので、みんなさんで見守りましょう。

終わりに

「速度抑制装置(スピードリミッタ)」は色々な自動車に取り付けられています。

しかし、それは自動車メーカーが自主的に装着しているもので、その抑制速度も自動車の種類によって違います。

今後、交通事故の状況によっては「大型バス」や「普通トラック」などにも「速度抑制装置(スピードリミッタ)」が義務付けになるかも知れませんね。

以上、大型トラック速度抑制装置を知ろう!のご紹介でした。
みなさんの参考になれば幸いです。

-車両, 道路運送車両法