自動二輪車免許の技能試験を知ろう!-試験課題・採点基準など
2021/04/02
自動二輪車の免許を取得しようとすると、指定自動車教習所(自動車学校)に通うか、直接運転免許センターまたは運転免許試験場で受験するかのどちらかになります。
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どちらにしても避けて通れないのが運転免許の技能試験です。
その技能試験は、いくら運転の技術を磨いても技術だけではなかなか合格することができません。それは試験官が見ているのは「技術」プラス「法規走行」と「安全確認」だからです。
それでは、どんな減点ポイントや注意が必要なのかを詳しくご紹介したいと思います。
この記事の概要
指定自動車教習所(自動車学校)の技能試験
指定自動車教習所(自動車学校)での運転免許の技能試験を「卒業検定」と言い、「試験車両」「試験課題」「採点基準」は、運転免許センターまたは運転免許試験場での運転免許の技能試験に準じておこなわれます。
運転免許センターまたは運転免許試験場の技能試験
※指定自動車教習所(自動車学校)を卒業された方は、技能試験が免除されます。
決められた試験コースで、正確な法令履行(ルール)及び正確な運転操作によって、道路及び交通の状況に応じて安全かつ円滑な走行ができるかを試験します。
※受験される方は、ヘルメット、手袋、長袖服、長ズボンおよび靴など自動二輪車に乗るための服装や装備品をご自分で用意してください。なおヘルメットは、受験する自動二輪車に応じたものが必要です。
採点は、ミスの内容に応じて100点から減点していく方式になり70点以上が合格となります。
※減点超過(減点が55点以上)または試験中止になるまでは運転しますので、完走しても不合格になる場合があります。
技能試験のポイント
安全確認は、直接目視確認とバックミラーによる確認の両方で確認すること。さらに目視確認は、はっきりとわかるようにすること。
停止中は前後輪ブレーキをかけておくのが原則で、片方しかかけられない場合に限って前輪または後輪ブレーキをかけておきます。ブレーキがかかっていない状態を作らないでください。
停止などで足を地面に付く場合は、原則左足だけを地面に付き右足はステップに乗せておきます。どうしても右足を地面に付かないといけない場合は、右後方の安全を確認後右足を地面に付き、左足をステップに乗せます。その後必ず足を入れ替えて左足支えに戻してください。停止などで両足を地面に付くことはありません。
乗車のポイント
自動二輪車
- 周囲の安全を確認してから自動二輪車に近づく。
- 近づいたらハンドルを持ち前輪ブレーキをかけハンドルをまっすぐにする。
- 前輪ブレーキをかけたまま自動二輪車を垂直に起こしサイドスタンドをはらってはずす。
- 前輪ブレーキをかけたまま周囲の安全を確認後乗車する。
- 乗車したら右足は地面に付かずにステップに直接乗せ後輪ブレーキを踏む。
- 後輪ブレーキを踏んだまま左右のミラーをあわせる。(この時は前輪ブレーキを離す)
AT自動二輪車
- 周囲の安全を確認してから自動二輪車に近づく。
- 近づいたらハンドルを持ち前後輪ブレーキをかけハンドルをまっすぐにする。
- 前後輪ブレーキをかけたまま自動二輪車を垂直に起こしサイドスタンドをはらってはずす。
- 前後輪ブレーキをかけたまま周囲の安全を確認後乗車する。
- 乗車したら右足は地面に付かずにステップに直接乗せる。
- 右手で前輪ブレーキをかけて左手で左ミラーを合わせる。左手で後輪ブレーキをかけて右手で右ミラーを合わせる。
エンジンのかけ方のポイント
自動二輪車
- 後輪ブレーキを踏んでおく。
- キーをONにしてギヤがニュートラルになっているかを確認
※もしニュートラルになっていなかったら、前輪ブレーキをかけ右後方の安全を確認して右足を地面に付きクラッチを握りニュートラルにする。その後右足をステップに乗せ後輪ブレーキを踏む。ニュートラルに入りづらい場合は、一度クラッチとブレーキを離した状態で自動二輪車を少し前後に動かすと入りやすくなります。
- クラッチを握りスタートスイッチを押しエンジンをかける。
※かからない場合はスタートスイッチを押しながら少しアクセルを回すとかかりやすくなります。 - その後、前後輪ブレーキをかけておく。
AT自動二輪車
- 左手で後輪ブレーキをかけておく。
- 右手でキーをONにしてスタートスイッチを押しエンジンをかける。
※かからない場合はスタートスイッチを押しながら少しアクセルを回すとかかりやすくなります。 - その後、前後輪ブレーキをかけておく。
発着点からの発進のポイント
自動二輪車
- 前後輪ブレーキをかけておく。
- 右後方の安全を確認して右足を地面に付きローギヤへ入れる。
※前輪ブレーキはかけておく。 - その後右足をステップに乗せ後輪ブレーキを踏む。
- 周囲の安全を確認して右の合図を出す。
- さらに右後方の安全を確認して安全なら前後輪ブレーキを離し発進する。
※発進するまで右の合図は出したままにします。 - 発進したら合図を消す。
AT自動二輪車
- 前後輪ブレーキをかけておく。
- 周囲の安全を確認して右の合図を出す。
- さらに右後方の安全を確認して安全なら前後輪ブレーキを離し発進する。
※発進するまで右の合図は出したままにします。 - 発進したら合図を消す。
走行のポイント
- 停止中は前後輪ブレーキをかけておく。
- 停止前にローギヤへ戻しておく。(MT車のみ)
※戻しておかないとギヤが入りづらくなるだけではなく、後方の安全確認をしてから右足を地面につかないといけなくなるから。 - 通常の走行位置は左寄りを保つ。(キープレフト)
- スムーズな操作と走行を心がける。
- 後方の安全確認はミラー確認と目視確認の両方をする。目視ははっきりとわかるように!
- 速度は出せるところは出して落とすところはしっかり落とす。(メリハリをつける)
※特に徐行場所はしっかりと止まるくらいの速度(原則10km/h以下) - カーブ手前や交差点手前で減速するときは前後輪ブレーキの両方を数回にわけてかける。(ポンピングブレーキ)
- 右左折する場合は、進路変更して「交差点30m手前までに」、右折はセンターライン(一方通行の場合は右端)へ、左折は左端へしっかり寄せておく。
- 右左折する場合、左折は後輪が内側の縁石から1m以内を、右折は前輪が交差点の中心から1m以内を通過するように曲がる。
- 右左折の合図は30m手前、進路変更の合図は3秒前に出す。
※合図は、「まず出す方向の後方の安全確認」「合図」の順番で出します。進路変更の場合は、さらに変更前に「もう一度後方の安全確認を!」するのを忘れずに。 - 踏み切りは、「一時停止」を確実にして「警報機の音」と「左右の安全確認」をして、完全に通過する。(MT車は変速操作をしないでローギヤのままで通過)
- 障害物は、進路変更をして避け、横を通過する際は安全な間隔(0.5m以上1m以内)をとって通過し、進路変更して戻る。
発着点への停止のポイント
- 進路変更して事前に左へ寄せておく。
※左に寄り過ぎると降車の際にサイドスタンドが出せなくなりますので、注意してください。 - 左へ寄せた後も合図を出したままにして発着点に向かう。
- ポールに前輪の先端を合わせて停止する。
※合図は消さないでください。
降車のポイント
自動二輪車
ハンドルから手を離すまでは前輪ブレーキを離さないようにしてください。
- 右後方の安全を確認後、右足を地面に付き左足をステップに乗せ、ギヤをニュートラルにする。
- ギヤをニュートラルにしたら足を入れ替え右足で後輪ブレーキを踏む。
- 合図を消してエンジンを止める。
- 周囲の安全を確認後降車する。
- 降りたら、ハンドルをまっすぐの状態にしてサイドスタンドを出し、自動二輪車を傾けサイドスタンドを地面に接地させる。
※サイドスタンドを確実にかけないと倒れる場合がありますので注意してください。 - ハンドルを左に切りハンドルから手を離す。
AT自動二輪車
ハンドルから手を離すまでは前後輪ブレーキを離さないようにしてください。
- 合図を消してエンジンを止める。
- 周囲の安全を確認後降車する。
- 降りたら、ハンドルをまっすぐの状態にしてサイドスタンドを出し、自動二輪車を傾けサイドスタンドを地面に接地させる。
※サイドスタンドを確実にかけないと倒れる場合がありますので注意してください。 - ハンドルを左に切りハンドルから手を離す。
運転免許技能試験実施基準
試験車両基準
試験車両の基準は、次のとおりとする。
大型自動二輪車免許
大型自動二輪車免許は、総排気量700cc以上1300cc以下で車両重量200kg以上のオートバイ型を使用し、AT限定大型自動二輪車免許は、総排気量600cc以上650cc以下のスクーター型を使用します。
普通自動二輪車免許
普通自動二輪車免許は、総排気量300cc以上400cc以下で車両重量140kg以上のオートバイ型を使用し、AT限定普通自動二輪車免許は、総排気量300cc以上400cc以下で車両重量140kg以上のスクーター型を使用します。
小型限定普通自動二輪車免許
小型限定普通自動二輪車免許は、総排気量90cc以上125cc以下のオートバイ型を使用し、AT小型限定普通自動二輪車免許は、総排気量90cc以上125cc以下のスクーター型を使用します。
採点の範囲
採点は、スタート地点で自動二輪車に触れ乗車するところから始まり、試験コースを運転してゴール地点で降車し自動二輪車から離れるまでとなります。
ただし、離れた後スタンドのかけ方が不十分などで自動二輪車が倒れてしまった場合は、試験中止となります。
安全確認の方法
安全確認は、原則として直接目視及びバックミラーによること。
コース
コースは、すべて車道とみなす。
脱輪時の措置
車輪が縁石に乗り上げたとき(コース外に落輪したとき)は、直ちに停止して、乗り上げる(落輪する)以前の地点まで戻って走行し直すこと。
指示速度による走行
周回コース又は幹線コースの速度指定区間においては、指示速度に従って走行すること。
上り坂の停止及び発進
指示した場所で停止し、直ちに発進すること。
走行終了時の措置
前車輪の先端を停止目標物(ポール等)に一致させ、サイドスタンド(サイドスタンドのない車両は、メインスタンド)を立てる。
特別コースの走行
直線狭路台(一本橋)
直線狭路コースの走行は、直線狭路台(一本橋)手前の指定地点でいったん停止し、直線狭路台(一本橋)を着座姿勢により所要時間(タイム)で走行すること。
所要時間(タイム)が不足した場合は、減点細目の指定時間過不足で1秒ごとに5点減点となります。
- 大型自動二輪車:10秒以上で通過
- 普通自動二輪車:7秒以上で通過
- 小型限定普通自動二輪車:5秒以上で通過
連続進路転換コース(スラローム)※小型限定を除く
連続進路転換コース(スラローム)の走行は、立体障害物の間を順にS字状に、かつ、所要時間(タイム)で走行すること。
所要時間(タイム)が不足した場合は、減点細目の指定時間過不足で1秒ごとに5点減点となります。
- 大型自動二輪車:7秒以内で通過
- 普通自動二輪車:8秒以内で通過
波状路コース※大型自動二輪車に限る
波状路コースの走行は、立ち姿勢(AT二輪車の場合は着座姿勢)により、できる限り遅い速度で走行すること。
所要時間(タイム)が不足した場合は、減点細目の速度速過ぎ(波)で10点減点となります。
- 大型自動二輪車:5秒以上で通過
指定速度からの急停止(急制動)
指定速度(大型自動二輪車及び普通自動二輪車は40km/h以上、小型限定普通二輪車は30km/h以上)から、指定位置(急制動開始線)で急制動を行い、車輪をロックさせずに急停止区間内で安定した停止をすること。
- 大型自動二輪車及び普通自動二輪車:乾燥時11m以内、湿潤時14m以内に停止する。
- 小型限定普通二輪車:乾燥時8m以内、湿潤時11m以内に停止する。
採点
採点方法
試験の採点は、「採点基準」に定める減点事項に該当するものについて減点し、技能試験成績表に記録して行うものとする。
採点は回数減点を原則とする。ただし、採点基準に定める「特別減点細目」に該当するものについては、1回目は減点を保留するが、2回以上該当した場合は、さかのぼって2回目からそのすべてを減点する。
走行順路を間違えた場合等の措置
試験において走行順路を間違えた場合は、直近の幹線コース又は周回コースを前進う回して正規の走行順路に復帰するものとする。
この場合において、走行順路を間違えたことについては減点しないが、正規の走行順路に復帰する間については採点の範囲とする。
合格基準
試験の成績は100点満点とし、70点以上のものを合格とする。
※減点超過(減点が55点以上)または試験中止になるまでは運転しますので、完走しても不合格になる場合があります。
試験の中止
次に掲げる事項に該当したときは、試験を中止するものとする。
危険行為等
逆行(大)、発進不能、指定速度到達不能、急停止区間超過、暴走、転倒、通過不能、脱輪(大)、接触(大)、右側通行、安全地帯等進入、後車妨害、信号無視、進行妨害、横断等禁止、指定場所不停止、安全間隔不保持、踏切不停止等、追越し違反、割込み、安全運転義務違反
試験官補助
試験中に、危険を回避するため試験官がブレーキ若しくはハンドルを操作した場合、又は試験を同乗以外の方法で行うとき等、試験官が直接ブレーキ等の操作ができないときに、口頭による指示等の手段によりこれにかわる補助を行った場合
減点超過
減点した合計点が55点以上なった場合
指示違反
試験実施のための指示をしたにもかかわらず、これに従わない場合
採点基準
「特別減点」に該当するものについては、1回目は減点を保留するが、2回以上該当した場合は、さかのぼって2回目からそのすべてを減点する。
試験の採点基準
(1)安全措置及び運転姿勢
- 安全措置不適:運転に必要な安全措置をしない場合は減点5点
- 運転姿勢不良:正しい姿勢で二輪車の運転をしない場合は減点5点
(2)発進
- アクセルむら:アクセルとクラッチの調和が不円滑な場合は特別減点5点
- エンスト:操作不良等のためエンジンの作動が停止した場合は特別減点5点
- 逆行(小):進行しようとする方向に対して逆行した場合は減点10点
- 逆行(中):進行しようとする方向に対して著しく逆行した場合は減点20点
- 逆行(大):進行しようとする方向に対して逆行し危険な場合は試験中止
- 発進手間どり:判断不良又は操作不良のため発進に手間どった場合は特別減点5点
- 発進不能:発進に著しく手間どり他の交通に支障を及ぼすおそれがある場合は試験中止
(3)速度維持
- 指定時間過不足:直線狭路台(一本橋)を決められた時間以上をかけて走行しない場合又は連続進路転換コース(スラローム)を決められた時間以下で走行しない場合は1秒ごとに減点5点
- 速度維持(課題外):加速緩慢などのため必要な速度を出せない場合は特別減点10点
- 速度維持(課題):指示した速度を出さない場合は減点10点
- 指定速度到達不能:指定速度からの急停止(急制動)で、指示した速度に達しない場合は上記の速度維持(課題)で減点10点してやり直し、2度目でも指示した速度に達しない場合は試験中止※ただし、1度目の減点10点で減点が55点以上になった場合は、やり直しはしないで試験中止
(4)合図及び安全確認
- 合図不履行等(発進):路端から発進する場合に進路を変えるための合図が不適切な場合は減点5点
- 合図不履行等(進路変更):同一方向に進行しながら進路を変えるための合図が不適切な場合は特別減点5点
- 合図不履行等(右左折):右折又は左折するための合図が不適切な場合は特別減点5点
- 安全不確認:車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し進行しなければならない(法第36条第4項前段)。車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる(第33条第項※停止を除く)。安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、及びその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること(法第71条第1項第4号の3)。に違反した場合又は安全確認が必要な場合に安全を確認しない場合は減点10点
(5)制動
- 惰力走行:エンジンブレーキを活用しないで惰力走行した場合は特別減点5点
- 惰力走行:坂道でエンジンブレーキを活用しないで惰力走行した場合は減点5点
- 制動操作不良:ブレーキの構えをしない場合、ブレーキを数回に分けて踏まない場合、一時停止中にブレーキをかけていない場合、路端停車中にシフトレバーはニュートラル、サイドブレーキを引きブレーキ等によるブレーキを利かせていない場合、二輪車でブレーキ側の足をついて停止若しくは発進した場合又はブレーキ操作が円滑でない場合は特別減点5点
- 制動操作不良(クリープ):停止状態を保持すべき場合にクリープ現象のため移動した場合は減点5点
- 前後輪ブレーキ不使用:二輪車において制動時に前輪ブレーキ及び後輪ブレーキを使用しない場合は減点10点
- 速度速過ぎ(小):道路及び交通の状況に適した速度より速い速度の場合(徐行義務のあるときを除く)は減点10点
- 速度速過ぎ(大):道路及び交通の状況に適した速度より著しく速過ぎる速度の場合(徐行義務のあるときを除く)又はカーブ内でブレーキをかけた場合は減点20点
- 急停止区間超過:指定速度からの急停止(急制動)で、急停止区間内に停止できない場合は試験中止
- 暴走:ブレーキ操作又はアクセル操作不良のため暴走した場合は試験中止
(6)操向
- 切り返し:操作不良又は判断不良のため切り返しをした場合は減点5点
- 急ハンドル:走行中に急激なハンドル操作をした場合は減点10点
- ふらつき(小):ハンドル操作が不安定な場合又は二輪車のバランスを保てない場合は減点10点
- ふらつき(大):走行中に大きくふらついた場合は減点20点
- 転倒:二輪車で車体を倒した場合は試験中止
- 通過不能:1.切り返しをしたため他の交通に支障を及ぼすおそれがある場合、2.直線狭路コース(一本橋)、連続進路転換コース(スラローム)、波状路コース(大型自動二輪車のみ)及び狭路コースを通過できない場合は試験中止
(7)車体感覚
- 停止位置不適:停止したが、停止線の直前で停止しない場合又は指示した場所に車体の指定個所を一致させて停止しない場合は減点5点
- 側方等間隔不保持:車体の周囲に安全な間隔を保たない場合は減点20点
- 脱輪(小):車輪を縁石などに接触させた場合又は車輪の一部をコース側端から逸脱させた場合は減点5点
- 脱輪(大):車輪が縁石又はコース側端から逸脱した場合は試験中止
- 接触(小):車体が障害物に軽く接触した場合は減点20点
- 接触(大):接触事故となるおそれがある場合は試験中止
(8)通行区分
- 通行帯違反:車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる(法第20条第1項)。若しくは車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない(法第20条第2項)。に違反した場合又はみだりに車両通行帯からはみ出した場合は減点5点
- 右側通行:車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする)から左側部分を通行しなければならない(法第17条第4項)。に違反し
又は車両は、次の各号に掲げる場合においては、道路の中央から右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
一.当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう)となつているとき。
二.当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
三.当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
四.当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く)。
五.勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。
(法第17条第4項)に該当する場合で道路の中央から左の部分に障害があり、反対方向からの交通を妨げるおそれがあるにもかかわらず、道路の中央から右の部分にはみ出した場合は試験中止 - 安全地帯等進入:車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない(法第17条第6項)。に違反した場合は試験中止
(9)進路変更等
- 進路変更違反(狭路コース):狭路コースへ左折する場合に車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄らなければならない(法第34条第1項前段)。に違反した場合は減点5点
- 進路変更違反(交差点):車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄らなければならない(法第25条第1項前段)。車両(軽車両及びトロリーバスを除く)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄らなければならない(法第25条第2項前段)。車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄らなければならない(法第34条第1項前段)。自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄らなければならない(法第34条第2項前段)。に違反した場合は減点5点
- 進路変更禁止違反:車両は、みだりにその進路を変更してはならない(法第26条の2第1項)。
又は車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。
一.緊急自動車の優先の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
二.緊急自動車の優先の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。
(法第26条の2第3項)に違反した場合は減点10点 - 後車妨害:車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない(法第26条の2第2項)。に違反した場合又は進路変更の時機を失い車両の妨害となった場合は試験中止
(10)直進、右左折等
- 右左折方法違反:車両は、左折するときは、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない(法第34条第1項後段)。自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない(法第34条第2項後段)。に違反した場合は減点5点
- 安全進行違反:車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない(法第36条第4項後段)。に違反した場合は減点10点
- 徐行違反:車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない(法第25条第1項※徐行のみ)、車両(軽車両及びトロリーバスを除く)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない(法第25条第2項※徐行のみ)。車両は、左折するときは、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない(法第34条第1項後段)。自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない(法第34条第2項後段)。車両等(優先道路を通行している車両等を除く)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない(法第36条第3項)。
又は車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一.左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く)。
二.道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂を通行するとき。
(法第42条)に違反した場合は減点20点 - 進行方向別通行区分違反:車両(軽車両及び規定により二段階右折とされる交差点において左折又は右折をする原動機付自転車を除く)は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い当該車両通行帯を通行しなければならない。ただし、緊急自動車の優先の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためやむを得ないときは、この限りでない(法第35条第1項)。に違反した場合は減点10点
- 交差点等進入禁止違反:交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない(法第50条第1項)。若しくは車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない(法第50条第2項)。に違反した場合又は黄色の信号が表示された場合において停止位置に近接しているため安全に停止することができないにもかかわらず横断歩道若しくは自転車横断帯又は交差道路に入って停止した場合は減点20点
- 信号無視:道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等に従わなければならない(法第7条)。に違反した場合は試験中止
- 優先判断不良:優先車両等の進行を妨害する違反に至らないが先行できる車両等に進路を譲らない場合は減点10点
- 進行妨害:優先車両等の進行を妨害する違反をした場合は試験中止
- 指定場所不停止:車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない(法第43条前段)。に違反した場合は試験中止
- 横断等禁止違反:車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない(法第25条第1項)。又は車両は、道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない(法第25条第2項)。に違反した場合は試験中止
(11)歩行者保護等
- 泥はね運転:ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること(法第71条第1項第1号)。に違反した場合は減点10点
- 安全間隔不保持:車両は、歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない(法第18条第2項)。に違反した場合は試験中止
(12)最高速度、踏切通過及び駐車等
- 踏切内変速:踏切を通過する場合に変速装置を操作した場合は減点5点
- 駐車措置違反:車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること(法第71条第1項第5号)。に違反した場合又はその他車両の停止状態を保つための措置をしない場合は減点5点
- 警音器使用制限違反等:法令の規定により警音器を鳴らさなければならない場合で鳴らさなかったり、それ以外で警音器を鳴らしてしまった場合(危険を防止するためやむを得ない場合を除く)は減点10点
- 急ブレーキ禁止違反:車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない(法第24条)。に違反した場合は減点10点
- 車間距離不保持:車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない(法第26条)。に違反した場合は減点10点
- 駐停車方法違反:車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない(法第47条第1項)。車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない(法第47条第2項)。又は車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない(法第47条第3項)。に違反した場合は減点5点
- 合図車妨害:道路外に出るため左折又は右折をしようとする車両が、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない(法第25条第3項)。停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない(法第31条の2)。左折又は右折しようとする車両が、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない(法第34条第6項)。又は車両が通行の区分に従い通行するため進路を変更しようとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない(法第35条第2項)。に違反した場合は減点20点
- 速度超過:車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない(法第22条第1項)。に違反した場合又は指示した速度を超過した場合は減点20点
- 踏切不停止等:車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる(法第33条第1項※安全確認を除く) 。車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない(法第33条第2項)。又は車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない(法第50条第2項※踏切のみ)。に違反した場合は試験中止
- 追越し違反:車両は、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない(法第20条第3項後段)。車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする前車の右側を通行しなければならない(法第28条第1項)。車両は、他の車両を追い越そうとする場合において、前車が横断又は右折のため道路の中央又は右側端に寄つて通行しているときは、その左側を通行しなければならない(法第28条第2項)。追越しをしようとする後車は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない(法第28条第4項)。後車は、前車が他の自動車又はトロリーバスを追い越そうとしているときは、追越しを始めてはならない(法第29条)。又は車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分、道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂、トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る)及び交差点(当該車両が優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分においては、他の車両(軽車両を除く)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない(法第30条)。に違反した場合は試験中止
- 割込み:車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等又はこれらに続いて停止し、若しくは徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切つてはならない(法第32条)。に違反した場合は試験中止
- 安全運転義務違反:車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない(法第70条)。に違反したため試験官補助をした場合は試験中止
最後に
細かく採点項目が定めてありますが、特に減点されるポイントとしては、「安全確認」「右左折方法」「右左折時の合図」「進路変更方法」「進路変更時の合図」「特別コースの走行のタイム」になりますので、特に注意して走行してください。
しっかりポイントを押さえて合格を目指しましょう。
以上、自動二輪車免許の技能試験のご紹介でした。
みなさんが運転免許を取得するときの参考になれば幸いです。